前からそうだったのだけれど,売れているものが売れるという傾向はますますハッキリしてきたと感じる。
「仏陀再誕」というアニメ映画が去年上映されていた。
私の同僚の女性職員が「この映画見に行こうと思っているんだけど」と言っているのを聞いてたまげた。
何故見に行こうと思っているのかと聞くと,ずっと興行成績上位に名を連ねているからだという。
「私も行こうと思っている」と別の同僚が喋ってまたビックリ。
私は池袋駅地下にデカデカと貼られていたポスターを見た瞬間に,制作者名を見るまでもなく幸福の科学の映画だということはわかったのだけれど,わからない人は結構いたようだ。
彼女は幸福の科学の映画だと知ると驚いていたが,私はヒットチャートの力を思い知らされた。
最近はAKB48にその傾向が顕著だ。
劇場版CDの売上げに頼るAKB48はオリコンと劇場版ノーカウントのサウンドスキャンの売上げが全く違う。
その売り方は特定のファンに複数枚大量に買わせるという手法で,今では他のアーティストでも使っているが,AKBの場合それが極端であった。
しかし,売ってしまえばヒットチャート上位に食い込み,流行っていることになる。
流行っていることになれば一般のファンも食いついてくる。
最新作はサウンドスキャンでも12万枚だ。オリコンでは31万枚を超えているが…
人気が本物になってしまった。(ちなみに先週リリースのモーニング娘。がオリコン累計4.2万枚)
着メロランキングも怪しい。
着メロでブレイクといって情報番組で取り上げられるアーティストがいるが,ろくに宣伝もしていない無名のアーティストが突然上位に来る方が不自然であり,何らかの操作を感じる。
しかし,その後CDチャートでも上位に上がってくる。
なんのヒントもなく良い作品に巡り会える確率は低い。映画を手当たり次第見たり,CDを手当たり次第買いまくるなんて不可能だ。
ヒットチャートは良い指針だったのだが,最近は複数種リリースやイベント商法で当てにならなくなってしまった。かといって他にあるかというと,CDに取って代わる可能性がある着メロを中心とする音楽配信のチャートはCDランキング以上に信用できない。
評論家のレビューは,自分の好みのアーティストや映画を推している評論家の推すものは大体自分の好みにも一致するので結構使える。
音楽雑誌や映画雑誌がただの広報資料垂れ流しだったり,変なバイアスのかかった評論が増えすぎて,使いにくくはなっているのだが,それでも今ではこれが頼りだ。
問題は似たようなものばかり見たり聴いたりするようになることだ。すると結局ヒットチャート頼みで新規開拓…
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